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2019年から夫婦2人でタイに移住!日々考えていることを気ままに綴ります。

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【クメール文化】カンボジア国立博物館 National Museum of Cambodia【世界で最初の0?】

はじめに

カンボジア・プノンペンに位置するカンボジア国立博物館は、先史時代からクメール帝国の前後期にかけての14,000点以上の美術作品や考古学的遺物を所蔵する歴史・考古学博物館です。クメール文化の成り立ちと発展を学ぶための重要な場となっています。場所もプノンペンの中心地にあり非常にアクセスの良い場所です。派手さはありませんが、静かにクメールな空気の中に身をうずめるのに良い場所です!

カンボジア国立博物館

カンボジア国立博物館は、プノンペンの中心部、王宮の隣に位置しています。開館時間は毎日8:00から17:00までで、18歳以上の入館料金は$10です。少し古い情報だと、入館料が安く表示されていることもありますので、注意してください。

館内の様子

カンボジア国立博物館の建物は、フランス人のジョージ・グロスリエ(George Groslier)によって設計されました。クメール寺院建築の影響を受けつつ、西洋風の装飾も取り入れた建物は博物館として機能しています。

伝統的な赤色屋根の建物。言われないとフランス人の設計だと気づかない

中庭がある建物の四方には、時系列順に展示物が並んでいます。ただし、館内にエアコンはなく、風通しを良くしているだけなため、真昼間の訪問時は水分補給が必須です。

中庭の様子。暑さ対策で水霧が出ています。

展示物

カンボジア国立博物館の展示物は、日本やタイの博物館では見ることのできない、クメール文化の特性を示しています。特に、12世紀から13世紀のクメール王朝時代の作品が多く展示されています。ヒンドゥー教と仏教の影響が混ざり合った神々の像は、クメール文化の複雑な宗教的背景を反映しています。

世界で最初の0(ゼロ)の文字?

館内展示物は撮影禁止だったので、Webから引用
https://www.sciencealert.com/search-for-the-world-s-first-zero-leads-to-the-home-of-angkor-wat

個人的に最も興味を引いた展示物は、「世界で最初の0(ゼロ)の文字」だとされる石碑です。0の概念はインドで発明されたと言われています。また、記号としては、バビロニアでは空白文字という記号(0のように丸くはない)が使用されていたと言われています。

そんな中で本博物館にはゼロを0と表記した最初の証拠が展示されているというのです。この石碑は682年のもので、これが現存する0の証拠としては最古のものと博物館の説明では主張されています。しかもこの石版の古代クメール文字を解読したのは、博物館を建設したジョージさん自身であり、彼の大きなカンボジアに対する敬意を感じます。 一人の理系人間として0というツールには数々お世話になってきた、まさかプノンペン旅行で突然初めての0に出会えるとは思わなかった。

ちなみにこの石碑は更に壮大な歴史を持っていた。クメール・ルージュの影響により、一時石碑は行方不明になっていたという。その後、何故かアンコール・ワット近くの小屋で多数の文化品がみつかり、その1つがこの石碑だったという。情報ソースには乏しいが、本当だとするとすごい。

なお、近年の研究でインドでの0の発見が500年定説より早いのではないか、という説もある様子。もともと、年代に対して強い証拠はなかったものの、0が記載されている木板の炭素年代測定法による推定値が更新されたとのこと。

おわりに

カンボジア国立博物館は、クメール文化とその美術・考古学的遺物の宝庫であり、カンボジアの歴史と文化の深い理解を得ることができます。世界で最初のゼロの石碑だけではなく、多くの歴史に名を刻む展示物を見ることができるので、是非訪れてみてください!

参考文献: - National Museum of Cambodia - Wikipedia - The World's First Zero Was Invented in Cambodia - Science Alert - The World's First Zero Is Even Older Than We Thought - BBC News